障害年金で受給できる金額について
事故や病気で障害のある状態になった時、日常生活で支障をきたすことの一つに、仕事が今まで通りできなくなることがあります。また今まで必要のなかった治療費や入院費、薬代などの経費がかかるようになります。
そのために障害年金の申請を考えられる方が多いですが、実際どれくらいの金額が受給できるのでしょうか。
障害年金の実際の金額は、初診日に加入していた年金の種類によって違います。
初診日に国民年金に加入している方は「障害基礎年金」を、厚生年金に加入中の場合は「障害厚生年金」を受給します。
「障害基礎年金」は定額です。年度によって金額は変わってきますが、年額は1級で約97万円、2級で約78万円です。月額にすると1級は約8万円、2級は約6万5千円ほどです。
それに加えて、障害基礎年金には「子の加算」があります。18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(高校卒業前)にある子、又は20歳未満であって“障害年金”上の等級で1級または2級の障害を持つ子がいる場合に加算されます。
第1子、第2子は1人につき22万4300円、第3子以降は7万4800円が加算年額になります。(平成30年度額)
「厚生障害年金」の額は報酬比例といって、障害認定日の属する月までにどれくらい保険料を納めたかによって変わってきます。そのため受給額は人によって異なります。
具体的な額は、納めた保険料に、最近の賃金水準や物価水準で再評価するための率や給付乗率、被保険者期間の月数を掛けたもので計算方法は複雑です。年金事務所で確認することができます。
なお、加入月数が少なく300月(25年)に満たない場合は、300月とみなされて計算されます。
障害厚生年金の2級と1級は障害基礎年金との2階建てで支給されます。また「配偶者加算」があります。対象となる配偶者も一定の要件はありますが、金額は22万4300円(平成30年度の年額)です。子がいる場合は障害基礎年金分の子の加算も加わります。
3級は障害厚生年金のみの支給になります。子や配偶者の加算はありません。そのため最低保障額が決められています。報酬比例の年額が58万4500円に満たないときはこの金額が支給されます。
障害年金が受給できるようになると、2カ月に一度定期的に振り込まれます。そのため、経済的な不安が緩和され、体調に合わせて仕事ができるようになった方や、治療に専念できるようになった方が多くいらっしゃいます。
このように障害年金は、不安な状況から抜け出すことができたり、安心して生活できるための助けになったりしています。障害年金の制度があるということを知り、少しでも受給の可能性があるならば、申請手続きを検討してみてはいかがでしょうか。