A:生活保護受給者に障害年金が支払われることになった場合、支払われる生活保護の金額は調整されます。
生活保護を受給されている方からの障害年金申請のご相談は多いのですが、障害年金を受給できれば収入が増えると誤解されていらっしゃる方も少なくないです。実際は、生活保護と障害年金の両方を支給されてもトータル受給額は変わらないのです。なぜなら、障害年金も収入とみなされ、年金額と同じ額が生活保護から減らされてしまうからです。
「生活保護」とは、生活に困窮している人を対象に、困窮の度合いに応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障することにより、その人の自立を助長することを目的とする制度です。
従って、生活保護を受けるには、その人が利用することのできるあらゆる資産や能力等をすべて活用した結果、それでもなお不足するものを生活保護で補うという思想が貫かれています。
多くのケースで生活保護費は障害年金額を上回りますので、その場合はまず障害年金を優先的に受給し、そのうえで差額があればその差額分を生活保護として受けるということになります。
ということは、生活保護を受ける人にしてみれば、生活保護のみを受けても、あるいは障害年金を優先受給し、そのうえで不足分を生活保護として受けても、実質的には変わらないということになります。
生活保護受給の方が障害年金の申請を考えられる場合、こういったことに加え、医療機関の証明書の取得費用が発生しますので、慎重に判断する必要があります。
ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。